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70年代です。

2012年05月05日 06:54

1969年12月。
ギブソンの親会社であったCMI(Chicago Musical Instruments)が
その権利をECL(Ecuadorian Company Ltd)へと売却し、
暗黒時代とも言えるノーリン時代(Norlin Era)が始まってしまいます。

このECLの後の企業名が《Norlin》であることからノーリン期・ノーリン時代・ノーリンギブソンなどと
ある種の蔑称の如く70年代から80年代半ばのギブソンはいくら頑張っても低い評価をされてきました。
ちなみに、ECLのトップ《H. Norton Stevens》とCMIのトップ《Maurice H. Berlin》を合わせてNorlinだそうです。
ノーリン期の特徴が顕著になるのが、工場がナッシュビルに移転する1974年からであり、
それと同時に《Norlin Industries》の子会社としてのギブソンの歴史が始まります。

ま、実際にノーリン期は、合理性を高めて生産能力は格段に上がったもののあらゆる部分での改変が低評価の元凶であり、
オートメーション、マスプロダクションを悪とするならば、ノーリン期は極悪と言えるでしょう。

ただ、誤解の無いように言っておくと。
レスポールの黄金期ともいえる50年代後半のものに比べれば、ノーリン期は明らかに粗悪な造りであるのですが、
重量がクソ重くなった点さえ除けば、普通に優秀な楽器だと思います。
レスポールの再生産が渇望された60年代後半、満を持して発表されたスタンダードの仕様を見た人々の落胆たるや、、、。
消費者のニーズを読めない企業が叩かれるのは今も昔も変わりなく。
言わば失望した消費者の呪いのような《ノーリン期最悪説》が一般常識として深く浸透してしまっているのではないかと。
特にスタンダード(デラックス)におけるバッシングは、いまだ根強く残っているような印象。

期待していたのに裏切られるとネガティブな思考になるのは当然であり、
実際の改変部分も《改悪》と判断される部分が多かったため、現在まで語り継がれる低評価なんだろうと思います。
恐らくは、ギブソンがニーズを読めなかったのではなく、高価なカスタムの方を沢山売りたかっただけのような気がしますが。
塗装で全体を塗り潰されるカスタムの評判は悪くないし、再生産のエクスプローラーだっていいギターだし、
フライングVだって70年代のヘッドが一番バランスが良くてカッコいい。
さすがに80年代に入ると迷走の度合いが激しくなる印象はありますが、
少なくとも70年代に関してはもうちょっと正当に評価されてもいいんじゃないかな。

あと、僕が強く感じるのはグレード基準を置く位置の変化です。
50年代は通常のレスポール(スタンダード)に何かを足すことによって上位機種のカスタムを生み出すわけですが、
70年代になるとカスタムを基準として何かを引いてスタンダード(デラックス)などの下位機種を作り出す思考。
基準をどこに置くかによって品質が変わるのは当然のことで合理性を高めた末の最大の弊害となったように感じます。
基本的にギブソンは新しいことをすると叩かれる運命にあるような気がしてなりません、それは現在でも変わらず(笑)

連休なので文章多めでお送りしています。


んがしかし。
僕は70年代のレスポール・カスタムが大好きなんですよねぇ。
確かに全体的にギブソンの楽器に対する信念のようなものは希薄になり、
個々の品質のバラツキは意外に少ないんだけど、まぁどちらかと言えばハズレ寄りで安定した品質(笑)
でも、運命の一本がそれなりの値段で買えてしまう魅力。
レスポール・カスタムは70年代以降こそが黄金期であると思います。
思うのは勝手です。

そんなわけで。

一口に70年代レスポール・カスタムと言っても数々の仕様変更もあり、最大公約数的な70年代感を狙っていきます。

まずはトップのリカーブ(recurve)の修整。

lpc70_wip01.jpg
レスポールの特徴であるアーチの付いたトップは通常、
バインディングのエッジ部分をゼロとして、一旦マイナスに彫り込まれてからプラスへ盛り上がるように成形されます。
このマイナスに彫り込む部分がリカーブであり、アーチトップギターがより美しく見える部分でもあります。
しかし、70年代のレスポールのトップは、マイナス側への彫り込みがほぼ無くなり、
ゼロから緩やかにプラスに盛り上がる相対的には平坦なカーブとなる傾向が強いです。
言わば、製造工程の機械化と簡略化、悪く言えば手抜き製法とも取れる《改悪》部分でしょう。
ただ僕の目で見ると、ソース顔からしょうゆ顔とでも言いますか、スッキリしていいんじゃないの?てな感じ。
特に全体を一色で塗り潰され、バックの外周にまでバインディングが巻かれエッジの立ったカスタムに限っては
70年代の平坦なカーブがよく似合うと思ってます。

前回作った50年代のリカーブの部分を持ち上げればなんとかなるかな、と思ってましたが結局トップ全面を張り直し。
微妙な部分だけど、このトップのあっさり感こそが70年代カスタムだと信じて止みません。
ボディシェイプ自体も微妙に変化するのですが、今回はUVの互換性を優先したいのでアーチ形状のみの変更とします。


世に出回っているレスポール関連の図面や資料は殆どが50年代後半の黄金期のレスポールを研究したものであり、
それらは、多くのギタリストやクラフトマンの興味の対象であり伝説であり憧れであり夢であるわけです。
そういった観点では、70年代レスポールは現実的過ぎて掘り下げる魅力が足りてないのかな。
とは言え、ようやく70~80年代のレスポールも再評価の流れが出来つつあるように思う。
中古ギターからビンテージギターへと扱いが変わる時期なのかもしれない。
単純に70~80年代のガキがお金を使えるおっさんになったからかもしれない(笑)
30年を越えて残るものにはそれなりに愛を持って迎え入れられる傾向にある。

74年製のランディ・ローズしかり、
78年製のジョン・サイクスしかり、
81年製のザック・ワイルドしかり、

憧れだったカスタムは全てノーリン(笑)


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